2006年12月17日 (日)

さらば安倍川の旅

(安倍峠より・・・・・・・③)

大滝一号橋のたもとにある

「よしとみ旅館」のところまで戻ると

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夕暮れと言うよりもすでに宵闇が迫っていた

車のところに戻るには

まだ1時間半以上歩くことにようやく気が付いた

思った通り時間がかかりすぎたが

それでもしばらくは安倍川の旅ともお別れ

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山影には十三夜の月が

雲の間から顔を出しました

川を歩くようになってから

月が出るまで歩いたことは無い

辺りには暗闇とともに冷気も押し寄せる

それらもまた愛しい日々の思い出だ

こんなに楽しんだ一年も珍しいだろう

さて新しい年に向かって

いったい私は何をしようとしているのだろう

Photo_662

時折後ろから走ってくる車のライトを頼りに

赤水の滝まで戻ってきました

勿論、駐車場には私の車だけが止まっている

車にたどり着いてリュックを背中から下ろすと

「ごくろうさま」と私に

車がねぎらいの言葉をかけてくれたような気がした

もう一度空を見上げると

すっかり葉を落としたモミジの木の間から

雲を払って月が煌煌と輝いていました

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2006年12月16日 (土)

夕暮れの安倍の大滝へ

(安倍峠より・・・・・・・②)

湯元屋のおかげで指の出血が止まったら

気分がよくなってきて

この分なら大滝へ寄っていけそうだと

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吊橋を眺めながら意欲が出てきた

山の夕暮れの早さを分かっているつもりだが

どうしても寄っていきたくなった

吊橋へ降りていく

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吊橋の袂に「大滝一号橋」とある

今まで安倍川にかかっていた吊橋では

ほとんど名前が書いてない

これだけしっかり書いてあるのだから

次に現れるのは二号橋かなと思った

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大滝まではわずか1.2キロだから

20分もあれば到着できるかもしれない

でも往復だと40分だから

ちょっと日暮れが気になるななどと思いつつ

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歩き出したが疲れている体には意外ときつい

100m置きぐらいに案内板が出ていたが

思ったより足が進まない

やはり無理かな、戻ろうかとも思った

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山の斜面に作った桟道のような橋が

何度も現れる

わずか1.2キロの道なのに

何と長く感じることか

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辺りの空気が冷えてきた

左手だけが相変わらず熱を帯びている

やがて丸木橋のような道になる

これで何度目の橋だろう

たった1.2キロが何でこんなに長いのか

それでもあと少しと思えば

戻る気にもなれなかった

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あと100mと言うところで道は梯子段のように

急な木道になった

滝の音はもうすぐそこに聞こえてきている

手すりにつかまりながら一歩一歩登る

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やがて轟音とともに滝の上部が現れる

さすがに大滝と言われるだけあって豪快だ

ただただ流れ落ちる水は

誰に媚びることも無くあるがままに

誰一人たずねるものが無くても

自分自身を全うするがごとく

ただ流れ落ちていた

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滝壺には無造作に転がった大岩が

流れを阻むように構え

冷気は私の全身を包みだしていた

体の芯は熱いのに表面は鳥肌が立ちそうだ

滝を見る目的は果たした

さあ戻ろう

再び「大滝一号橋」に戻ったときには

太陽はもうどこにもなかった

滝までの往復は結局1時間かかってしまった

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2006年12月15日 (金)

アクシデント

(安倍峠より・・・・・・・①)

峠よりの沢をどうにか下ってきて

ようやくもとの自動車道に出た

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ほっとしたと同時に今回は思いのほか

時間がかかってしまっているのに気が付いた

梅ヶ島まで降りたら大滝へ寄って行きたいと

思っていたので道を急ぐことにした

以前靭帯を痛めてから下り道は

十分気をつけるようにしているが

体調は十分だし食事もしたし

Photo_648

勢いよく歩き出したのがいけなかった

この小沢橋の付け根のわずか1センチぐらいの

段差に足のつま先が引っかかり5,6メートル先まで

体が吹っ飛んだ

幸いガードレールがあったのでがけ下までは

いかなかったがしたたか体を打った

気が付いたら体は横倒し持っていた木の杖も

リュックのペットボトルも帽子も吹っ飛んだ

首から提げているカメラも地に音を立てた

そのまま横になっていたい気分だが

思い直して起きようとすると手も腕も足も痛い

一度地面に座りゆっくり起き上がると

両手に血がにじんでいた

一年の総決算の歩きに気の緩みがあったのか

そう思うと少し反省した

服もズボンもカメラも何もかもに血がついてしまった

救急セットは持っていない

リュックをやっと開けティッシュを取り出し

血をぬぐうも指先の血は止まらない

来たときの時間を考えると

下まではまだ相当時間がかかりそうだ

車が着たら乗せてもらおうと思ったが

なかなか通りかからない

両手を肩の辺りまで上げて歩き出す

疲れて手を下げると道路に血が落ちる

そのまま上げたままで一気に降りる決心をした

途中谷川の水で手を洗おうと思ったが

また血があふれるのも面倒だ

空気に触れて固まるのを待とう

慎重に且つわき目も降らずに降りて

1時間半で温泉街までたどり着く

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峠への道の三叉路にある店には

早い山の夕べのために明かりが点いている

店に入り「バンドエイドは売ってませんか」とたずねる

私の手を見た店の人は驚き

「それよりまず手を洗わなければ」といって

水道の場所まで案内してくれた

熱を帯びていた手に水の冷たさが

ひしひしと伝わり悲鳴を上げそうだ

手を洗ったあと奥さんが消毒をしてくれて

バンドエイドもいただいた

手の平は派手に血がにじんでいたが

出血は止まっている左右の指先だけは

少しだけ血がにじんできていた

ご主人は運転が大変だろうと手袋を

差し出してくれたが

傷に張り付くのがイヤだったので遠慮した

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お店にはお客さんがいて結構忙しそうだったが

私のためにいろいろ親切にお世話していただいて

本当に感謝しています。

あれから10日以上がたって傷口はほぼ完治

左腕の関節と左手首に若干違和感がある程度で

何とか大事に至らなくて良かった

来年に向けて少し反省点がまた見つかった

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2006年12月14日 (木)

霜柱の道を行く

(安倍峠まで・・・・・・・⑨)

男性と話、車が数台止まっていたところが

実は自動車道の一番高いところだった

安倍峠は二瘤ラクダの背中の瘤の間のように

両側が山に囲まれた峠だった

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したがって休憩駐車場からは少し下ることになった

山の斜面の自動車道を山梨県側に下ったところに

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安倍峠入り口の看板がある

つまり峠へ行くには自動車道から下ると言う

なんとも変な感じだった

まあとにもかくにも到着だ

2時間の予定が3時間半もかかってしまった

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峠への急な下りの山道を数歩いくと

道の脇に10センチほどの霜柱があった

こんな大きな霜柱を見るのは初めてだ

そういえば今まで歩いてきた自動車道は

12月11日から冬季は通行止めとのこと

平地に住む我々では計り知れない

季節がこの1500mの峠では始まっていた

昼食後、自動車道ではなく

あの「熊出没」の看板があった旧歩道を

歩いて帰ることにした

峠であった人が「歩くには良い道」と言っていた

ことが頭をよぎったからだ

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旧道は他の尾根にあるように熊笹の道だった

新緑の頃には気持ちのよいハイキング道

そんな感じだった

木々はすっかり葉を落とし動物の姿も見えない

不気味なほど静かな山道

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道と思って歩いているところに音がする

道の下は全て霜柱の道だった

先ほど斜面で見たあの大きな霜柱が

道いっぱいに広がっていた

ここは道というよりも水源の霜柱の上を

歩いているわけだ

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霜柱の道を踏んでいくと

やがて水面が現れたが厚い氷に閉ざされていた

それでもその上を歩いていくと

ようやく水が動き出していた

まさに水源の雰囲気そのままだ

「歩く道」と教えられて歩きだした道だが

道が時々途切れてしまう

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右側を歩いたかと思うと

今度は左側に道がある

そのたびに川の中の飛び石を飛んで対岸へ

道が無くてほとんど岩の斜面を渡ったり

冷たい水の中には絶対に落ちないぞと

緊張しながら歩きました

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2006年12月13日 (水)

いよいよ安倍峠へ

(安倍峠まで・・・・・・⑧)

もうぼちぼち峠に到着してもいいだろう

そんな気持ちになってきたころ

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登山道が現れた

梅ヶ島より登ってくる登山道と

八紘嶺へ向かう登山道が

自動車道とここで接していました

自動車道よりこの道のほうが

距離は短そうだがこの時期の山中は遠慮する

もう峠に近い感じだ

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看板にも安倍峠と書いてある

お腹がすいてきたがお昼は峠で食べよう

そう思って先に進む

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小沢橋(こざわばし)と言う小さな橋に差し掛かる

橋と言えるかどうか

小さな窪みにかかっているだけの橋だった

帰りにこの橋で事件が・・・・・

そこをすぎてすぐのところに

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安倍峠旧歩道入り口が現れた

傍らには「熊出没!」の看板

とても、この道に入っていく勇気が無い

でも それにしても峠はまだかな

そのまま自動車道を進む

かなり急な道だった

その道を登りきったところに休憩所があり

数台の車が止まっていた

そこで出会った人に聞いたところ

安倍峠はもう少し行ったところだとのこと

12時をすでに回っている

まだ登らなければいけないのかと思うと

少しだけ疲れがやってきた

Photo_639

振り返ると山また山の遥か彼方に

わずかに静岡の海らしきものが光っていた

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2006年12月12日 (火)

氷の花

(安倍峠まで・・・・・⑦)

大滝へ下る道はついに分からなかった

恋ヶ滝を過ぎてすぐ下ってくる人に出会う

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朝登り安峠まで行ってきたと言う地元の人

木製の杖一本で軽快に降りてきた

峠はまだまだ先だから「がんばって」と言われた

この時点で峠までの道の長さを痛感した

道は大きく迂回して滝の上まで出る

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山陰の落ち葉のなかに真っ白い花が咲いている

珍しいなと思って近づき触ってみると冷たい

氷の花だった

辺りを見回すと氷の花がいくつも咲いている

花の無いこの季節自然は粋な計らいをするものだ

安倍川は発電用のダムが無い代わり

砂防ダムがいくつもある

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ここまで来る間の本流でも数箇所あった

今登っているのは支流だがここにも砂防ダムはある

支流と言えどもかなり大きなダムでした

長野県でも砂防ダムで話題になったが

砂防ダムが砂利でいっぱいになった場合

効果と言うものはどうなんだろう

素人の私には知る由も無い

ダムの上は

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水が枯れていて

まるで広い自動車道路のように見える

歩いている道より下の枯れ沢のほうが

歩きやすいのではないかと思えるほどだ

砂防ダムのよってせき止められた

土砂の道でした

Photo_634

その先を歩くとまた細い流れが現れて

しばらく行くと砂防ダム・・・の繰り返しでした

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2006年12月11日 (月)

コイガタキ

(安倍峠まで・・・・・・⑥)

峠への道の途中から

安倍の大滝が見えるはずだし行けるかも

そう思いつつ坂を登ると

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道路の脇に大きな立て看板があった

エッ、ここより・・・・ですか

辺りを見回す

梅ヶ島の村はもう遠に、遥か麓に消え去り

一面、山の中だった

目を少しずらしてみる

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遥か彼方の山影に一筋の水の流れ

遠すぎて大滝に見えないが

どこか降りる道があったとしても

せっかく登ってきた道だ

今は降りる気はない

峠へ急ごう

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しばらく行くと看板が出ていて

やはり降り道はありそうだ

この先にある「恋ヶ滝」から降りると書いてある

それにしても「恋ヶ滝」なんておかしな名前だ

「恋敵」に読めてしまって

一人くすくす笑いながら滝を目指した

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滝は思ったより大きく

山肌を駆け下りるように岩を削っていた

垂直の滝と違った優しさと強さを感じる

傍らにある立て看板を覗いてみる

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「恋ヶ滝」なんて書いてなく

「鯉が滝(恋仇)」とある

なるほど、誘導尋問にあってしまったような

そんな気になっておかしくなった

ちょうど車で寄った中年のご夫婦に

思わず「愉快ですね」なんて声をかけてしまい

お二人が返事に困っていました

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2006年12月10日 (日)

カケスがお出迎え

(安倍峠まで・・・・・・⑤)

梅ヶ島温泉郷から登り始めたのは

9時50分だった

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安倍峠までは自道車道で8キロだ

2時間あれば十分だろう

バス停留所の前にある梅薫楼の脇には

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まだ紅葉が残っていた

ここまで来る間の道沿いには

すっかり終わっていた秋がまだがんばっている

その脇には

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二つの石が並んでいる

右側の石は文字が消えかかっていたが

吉井勇先生のあの歌が刻まれていた

公園の立派な石碑の原型は

これだったんだなと思えた

左側の小さな方は金山で鉱石を砕き

金を探し出すために真ん中が

すり鉢状にへこんでいました

峠に歩を進める

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自動車が走るには道は狭いが

歩くには快適だ

辺りには鳥の声が聞こえていた

この写真の中にも居るのだが

私にだけしか見えないので

ちょっと近くに来たのを拡大してみた

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カケスでした

たちどまってしばらく観察していたが

とても可愛いしぐさだった

上から降りてくる人に話しかけると

散歩で少し歩いたけれど

人にはすれ違わなかったとのこと

天気も良いし足取りも軽い

いざ峠へ・・・・・・・・・・

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2006年12月 9日 (土)

湯滝・お湯のふるさと

(安倍峠まで・・・・・④)

ここまで来るうちに安倍川起点の標識を見ていない

ふと川上に目をやると

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三段の滝まで10分とある

良し、まずはそこまでだ

駐車場を過ぎたところに湯の谷橋があり

そこを渡ったところにいきなり起点の看板

ちょっと拍子抜け

でもそその先にPhoto_615

滝は私を待っていてくれました

安倍川の旅が終わったと実感した瞬間でした

なんとなくゆったりとした風情のある滝

しばらく眺めてから戻ることにした

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再び温泉の橋に戻る

橋を渡ったところにお湯のふるさとの公園がある

帰りに寄ろうかと思ったが暖かそうな日が当たっている

今の内によっていこう

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橋を渡り階段を登ったところに「湯滝」がある

湯が流れているわけではなく

滝を横切るように何本ものパイプが岩を這っている

ここは温泉の湯が地下深くではなく

山肌から直接湧き出て居るとのこと

それを滝の脇で集めて源泉にしているとのこと

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滝のすぐ横には「湯之神社」があり

由緒正しき神社であることが説明されていた

まさに梅ヶ島温泉の本家本元ということになる

神社からは

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湯ヶ島温泉が一望の下に見ることができました

見えるのは皆、温泉旅館や民宿などです

川筋から斜めに山に向かう道が安倍峠への道

私は今からこの道を行くことになるのだが

何が待っていることやら・・・・・・・

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2006年12月 8日 (金)

吉井勇先生の歌に感激

(安倍峠まで・・・・③)

niftyでブログのメンテナンスをやっていた関係で

3日日度ブログお休みしてまた再開です

朝の冷たい空気の中を歩き

すっかり冷え切ったところで

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新田(しんでん)の村に差し掛かりようやく

朝の光が山の間から見えてきた

新田は山伏や大谷嶺への分かれ道

そのすぐ先にPhoto_610 

昔の金山への道の白鳥大橋が朝日に輝いていた

ここでしばらく体の表面に太陽を浴び

イグアナのように一日のエネルギーを蓄えた

橋の向こうには金山温泉

道を真っすぐ行ったところに公営の黄金の湯

新旧の温泉施設の場所であった

でも本来の梅ヶ島温泉はここから

歩いて40分ほど先の安倍川起点のところです

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梅ヶ島温泉はちょうど朝の光の中で

明るく輝いていました

前方の橋の袂にある立て看板をじっと読んでいると

向えにあるお土産やさんのご主人が来て

本来の梅ヶ島の紹介はこちらが正しいと

店の前の古い看板を教えてくれました

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なるほど新しい看板は温泉の湯元を

先ほど通り過ぎた黄金の湯に移転したように

書いてあるのでやはりおかしい

こちらの古いほうが正しいとご主人に同調できました

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それより何より気になったのは

橋の対岸にある公園と先ほどの立て看板の

両方に歌人吉井勇先生の歌があったこと

先生の歌は教科書でも「ひらがな」の歌で

有名で私の大好きなものでしたが

この梅ヶ島にもいらっしゃっていたのですね

ちょっとだけネットで調べてみたら

「ゴンドラの歌」命短し恋せよ乙女~

の作詞も吉井勇先生の作品だったことが

分かり、またまた一人感激してしまった

後刻・先ほどの店のご主人には

私は大変お世話になるのだが

その話は後日に・・・・・

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