百尺竿頭に立ちて
(伊豆東海岸の旅・Ⅰ・・・・・・・・・⑧)
近くまで歩いてきて前方の岩塊は
とてつもなく大きいのが解った
釣り人の姿が見えなくなってしまった
この岩壁の向こうはいったいどうなっているのか
この岩壁を登る方法が見つからない
今年最大のピンチがここから始まる
滑りそうな岩の壁当然こちらから無理
どこか登るところはないか
山側は少しごつごつしている
ここなら登れるかもしれない
意を決して登るが途中で恐くなり
足がすくみ一歩も動けなくなってしまった
足がすくんだまま10分間じっとしていた
波は怒り狂ったように押し寄せる
岩の下に墜落している姿を想像する
絶対に止まらないと言い聞かせ一気に登る
・
指の関節一つだけが引っ掛かるだけの
絶壁を歯を食いしばって登りきった
登り切って岩の上を見ると釣り人は
何故か岩の上に横たわっていた
体の震えは一向に止まらない
無謀な行為の余韻がまだ続いていた
とりあえず前に進む道を探す
しかしこの先は絶壁が海に落ち込んでいる
いよいよ万事窮してしまった
前方の海岸にはたどりつくのは不可能だ
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